腰椎分離すべり症は、腰椎の後方部分(椎弓)が疲労骨折などで分離し、その上で椎体が前方へずれてしまうことで、腰痛や下肢のしびれ・痛みを引き起こす疾患です。成長期のスポーツによる疲労骨折(腰椎分離症)が背景にあることが多く、年月を経てすべりへ進むことがあります。多くは保存療法で症状の改善が期待できますが、神経症状が進行する場合には手術療法も選択肢となります。
腰椎分離すべり症とはどのような病気ですか?
腰椎分離すべり症(ようついぶんりすべりしょう)は、腰椎の後方にある「椎弓」という部分の一部が連続性を失って分離し(腰椎分離症)、その分離した部分から上の椎体が下の椎体に対して前方へずれてしまう(すべる)疾患です。多くは成長期に、スポーツなどの繰り返しの負荷によって椎弓に疲労骨折が生じることがきっかけとなり、その後の経過の中ですべりへと進行していきます。
椎体がずれることで背骨の中を通る神経の通り道(脊柱管)や神経根が刺激・圧迫されると、腰痛に加えて下肢の痛みやしびれが現れます。調布で「若い頃にスポーツをしていて、腰痛が長引いている」「腰から脚にかけてしびれる」とご相談に来られる患者様で、検査の結果みつかるケースがあります。
主な症状は?
最も多い症状は腰痛で、立っている時間が長いときや歩行・腰を反らす動作で強くなりやすいことが特徴です。神経が圧迫されると、症状は下肢にも広がります。
- 腰痛(長時間の立位・歩行、腰を反らす動作で悪化)
- お尻から下肢にかけての痛み・しびれ
- 間欠性跛行(しばらく歩くと下肢のしびれや痛みが強くなり、休むと再び歩ける状態)
- 下肢の感覚低下、力の入りにくさ
- 前かがみになると症状が和らぎ、腰を反らすと強くなる
早めの受診をご検討いただきたい症状
両足にしびれが急に広がった、下肢の筋力が明らかに低下してきた、排尿・排便のコントロールがしづらくなったといった症状がある場合は、神経の障害が進行している可能性があります。また成長期のお子さんで腰痛が続く場合は、分離症の早期発見が骨癒合のために重要です。お早めにご相談ください。
原因は?
腰椎分離すべり症は、成長期に椎弓へ繰り返しの負荷が加わって生じる疲労骨折(分離)を背景に、その後の経過の中で椎体のすべりが進行して発症します。
分離・すべりを生じる主な要因
- 成長期の 激しいスポーツや反復動作(腰の反り・ひねりを伴う運動)による疲労骨折
- 腰椎への繰り返しの負荷の蓄積
- 分離部の不安定性に伴う椎体すべりの進行
- 加齢に伴う椎間板・靱帯の変性(すべりの進行に関与)
- 遺伝的素因
どの要因がどの程度関与しているかは患者様によって異なります。発症した年代や生活背景を含めた評価が大切です。
検査・診断の方法は?
診察ではまず問診で腰痛・下肢症状の経過や、スポーツ歴、症状を悪化させる姿勢・動作を伺います。続いて腰椎の可動域、下肢の感覚・筋力・反射などを評価いたします。その後、画像検査で分離やすべりの程度、神経の圧迫所見を確認していきます。
当院で実施する主な検査
- 神経学的検査:下肢の筋力、感覚分布、腱反射の評価
- X 線(レントゲン):椎弓の分離、椎体のすべりの程度、前後屈での不安定性の評価
- MRI:椎間板・神経の状態、神経圧迫の程度の詳細評価
- CT:分離部の形態を立体的に精密評価
- 必要に応じて追加検査(他疾患との鑑別)
当院は MRI・CT を院内に完備 しております。午前中にご来院いただいた場合、初診当日のうちに画像検査と診断まで一貫して行うことが可能です。検査のために改めて別の医療機関へ移動していただく必要はなく、診断から治療方針のご説明まで 1 日で進めやすい体制を整えております。
治療方法は?
腰椎分離すべり症の治療は、年代・分離やすべりの程度・神経症状の有無を総合的に判断して進めます。多くの場合は保存療法から開始し、症状の経過に応じて手術療法を検討いたします。
保存療法
- 安静・装具療法:成長期で分離が新しい段階の場合は、コルセット(装具)を用いて骨癒合を目指すことがあります
- 生活・姿勢指導:腰を反らす動作を避けるなど、腰への負担を減らす日常生活上の工夫のご案内
- 薬物療法:消炎鎮痛薬、神経障害性疼痛治療薬、筋緊張緩和薬などを症状に応じて選択いたします
- 神経ブロック注射:下肢の痛み・しびれが強い場合に、痛みの原因部位へ直接アプローチします
- 運動器リハビリテーション:体幹・腹筋・背筋の強化と柔軟性の向上で腰椎を支える力を高めます
理学療法士の指導のもとで、患者様お一人おひとりの体力や症状に合わせた運動療法を行います。当院では運動器リハビリにピラティスの考え方を取り入れており、腰への負担が少ない身体の使い方の習得にもお役立ていただけます。
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ピラティス × リハビリ
手術療法
保存療法を続けても症状の改善が乏しい場合や、下肢の痛み・しびれ・筋力低下が強く日常生活への支障が大きい場合には、手術療法が選択肢となります。手術では神経の圧迫を取り除き、必要に応じて分離・すべりによって失われた腰椎の安定性を回復させることを目的とし、病状に応じた術式が選択されます。当院は脊椎外科手術に対応しており、低侵襲手術なども含めて、患者様の状態に合わせた術式をご提案いたします。保存療法から手術療法までを当院内で一貫してご検討いただけることが、当院の特徴の一つです。
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対応手術ページ
当院の診療体制について
調布くびと腰の整形外科クリニックでは、腰椎分離すべり症に対して保存療法から手術療法まで、患者様お一人おひとりの症状や生活背景に合わせた治療を一貫してご提案しております。院内に MRI・CT を完備しており、午前中にご来院いただいた場合は初診当日に検査・診断まで完結できる体制を整えております。京王線 調布駅東口から徒歩 3 分、土曜日も診療を行っております。長引く腰痛や下肢のしびれ、お子さんの腰痛でお悩みの方は、お気軽にご相談ください。
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よくある質問(FAQ)
Q. 腰椎分離すべり症とはどのような病気ですか?
A. 腰椎後方の椎弓が疲労骨折などで分離し、その上で椎体が前方へずれることで、腰痛や下肢のしびれ・痛みを生じる疾患です。成長期のスポーツによる疲労骨折(腰椎分離症)が背景にあることが多く、年月を経てすべりへ進行することがあります。
Q. 腰椎分離症との違いは何ですか?
A. 腰椎分離症は椎弓の一部が分離した状態を指し、腰椎分離すべり症は、その分離に加えて椎体が前方へずれた(すべった)状態を指します。分離症の段階から、経過とともにすべりへ進行することがあるため、早期の評価と継続的なケアが大切です。
Q. 腰椎変性すべり症との違いは何ですか?
A. 原因が異なります。分離すべり症は成長期の疲労骨折による椎弓の分離が背景にあるのに対し、変性すべり症は加齢に伴う椎間板や椎間関節の変性が原因で、椎弓の分離を伴わずに椎体がずれます。発症する年代や好発部位も異なります。
Q. 子どもの腰痛でも分離症の可能性はありますか?
A. スポーツをしているお子さんで腰痛が続く場合、腰椎分離症(疲労骨折)の可能性があります。骨が成長段階にある早い時期にみつかれば、装具などで骨癒合を目指せることがあるため、長引く腰痛は早めにご相談いただくことをおすすめします。
Q. 診断にはどのような検査を行いますか?
A. 問診と神経学的検査のうえで、レントゲンで分離・すべりの程度と不安定性を、MRI で神経の圧迫所見を、CT で分離部の形態を確認いたします。当院では MRI・CT を院内に完備しており、午前来院で当日の検査・診断が可能です。
Q. 当院では手術にも対応していますか?
A. はい。当院は脊椎外科手術に対応しており、低侵襲手術なども含めて、患者様の状態に応じた術式をご提案いたします。保存療法から手術療法まで、院内で一貫したご相談が可能です。
Q. 日常生活で気をつけることはありますか?
A. 腰を強く反らす動作や長時間の立位を避け、腰への負担を減らすことが大切です。体幹を支える筋力を運動療法で維持・強化することが、症状の緩和と進行予防につながります。スポーツを行う場合は、痛みがあるときは無理をせずご相談ください。

